天皇陛下
昭和天皇を描いたロシア映画、アレクサンドル・ソクーロフ監督の「太陽」を銀座で観た。
1945年敗戦前後数日間の「エンペラー・ヒロヒト」の生活を描くことから彼の孤独を、
そして、悪夢のような戦争を止めることができなかった「神・ヒロヒト」の苦悩が描かれている。
彼の人生は、翻弄されたものだったんだな、と思った。
彼の名のもとに戦争に加わった多くの国民も「天皇に翻弄された」といえるのだが、天皇自身も戦争に翻弄され、意に反した人生を歩んだのだ。
「私は誰からも愛されていない」とつぶやく天皇。
独特のモノトーンな色彩が、天皇の不安や苦悩を表現しているように感じる。
天皇を、このような孤独で不安に打ち震え、戦争に傷ついた弱々しい繊細な男として描くのは、タブーだったことだろう。
でもこれが真実だったに違いない。
ぼくは右派でも左派でもないけど、
このロシア映画では、天皇陛下がとても謙遜で、紳士的で生真面目な人間として描かれていることが、ぼくは日本人の一人としてうれしかった。誇らしい気持ちでもあった。
そして、その紳士的な天皇陛下に向かって、アメリカ軍のヤンキー野郎どもが「チャップリンに似てる!」「ヘイ、こっち向けよ」とカメラを向けるシーンがあるのだが、とても屈辱的な気持ちになった。
なんだ、この気持ちは。
ぼくの中に国粋主義的な気持ちがあったのだろうか。
ぼくはどちらかというと読売新聞や産經新聞のタカ派論調より、朝日新聞的な「左」っぽい論調に好感を持っていたのは事実だ。
それなのに、自分の中に天皇陛下を尊敬している気持ちを発見してしまった。
だいぶ混乱しています。
(びんかん)
2006.08.14 | Comments(0) | 未分類






