やくざさん
今日はかなり気分が滅入ったので、さっきビールをがぶがぶ飲んだがぜんぜん陽気になれないぞ。
今朝9時の時点ではまだ福岡空港にいた。
東京の会社からなんどか電話があった。
「N先生と大至急連絡をとってくれ。とても怒っている。」
会社からの電話に出たときはもうフライト10分前だったので、東京へ戻ってから連絡することにした。お昼の12時には羽田に到着し、13時には東京の事務所からN先生に電話をした。N先生はとにかく怒っていた。
N先生は「あんたと、あんたの会社は誠意というものがない」「こんなひどい仕打ちをしたのは、あんたが始めてだ」とおっしゃった。「あんた」とぼくを名指しだ。
ぼくは、N先生に書いて頂いた原稿をボツにした経緯を説明したのだ。
これは、本当はあのジコチュー上司が説明するべきだった。
しかし「この件は私ではなく、彼から説明させます」とヤツは言ったのだ。
この上司はあらゆる仕事において窓口になりたがりなのだが、こういうときは逃げてしまう。とても卑怯だ。
N先生はかなり取り乱して感情的になってしまい、「法廷闘争も辞さない」と言い出したので、本部長が対応する事件になってしまった。
そしてこんど日を改めて本部長と謝罪&土下座行脚に赴くことになったのでございます。
というわけで「クレーム」つながりということで、過去に書いたコラムを再掲載します。
このブログでは、ぼくの過去をどんどんさらけ出していこうと思う。
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やくざさん
(初出:2005.02.13)
昨日の土曜日は本当は仕事がお休みのはずでしたが、人が少ないのでどうしても出てくれ、と言われて仕方なく出勤したのでした。それでも午前中は、代官山とか自由が丘とか東横線沿線のそういうオシャレな街に、ほんの少しだけ納品があったので「これはらくちんだ、しかもオシャレな街にオシャレでカワイイ女の子たちがうようよいるよ!」とニタニタしながらトラックを走らせて、帰りがけにお洒落なスタアバックスカフェに立ち寄ってコーヒーなんかテイクで注文して、とにかくぼくはうれしそうに横浜鶴見の精米工場へ戻ってきたわけです。
工場に戻って昼飯を食べていると、「大至急『食道苑』に行って、この新潟コシヒカリ50キロと、お客様の加賀コシヒカリ40キロを交換してきてくれ」と言われたので、すぐにトラックに乗って川崎駅前の焼き肉屋食道苑に向かったのです。
食道苑は一度だけ納品に行ったことがあったのですが、パチンコ屋と焼き肉屋が合体した店で、ベテラン配送員からは「あそこの店のヒトは、このスジのヒトだから気をつけて」と、頬を斜めに切る仕草をしながら教えてもらったお店でした。
川崎駅前のごちゃごちゃした路地にあるパチンコ屋タイガーセブンの前にトラックを停めて、ぼくは50キロのお米を担いでパチンコ屋2Fの食道苑事務所へ上がって行きました。
「お米のミヨシでーす。お米の交換に伺いましたぁー」
ぼくは普通に元気よく事務所にいる数人のおじさんに挨拶をしましたが何も返事が返ってきません。その事務所の中は薄暗く、タバコの煙がもやもやしていて、しかもなんだか殺伐とした雰囲気が漂っています。
「おい、米屋。えらいことしてくれたな。厨房見てくか?おい、このお兄さんを厨房へご案内してやれ」
一番奥の大きな机の向こう側に座っていた髪をオールバックにした目つきの鋭いおっさんが、そばにいる若い青年に言いました。
青年は無言で、事務所から更に奥の厨房へと案内してくれました。ぼくはなにが起きているかさっぱり分からず、とりあえず厨房でも「お米のミヨシでーす」と挨拶をしました。厨房には4人ほどいましたが、包丁で肉を切っていたこれまた目つきの鋭い大きな男がぼくをジロリと見ました。
ジロリと見ただけで、なにも言わずまた肉を切り続けています。ぼくは「あのぅ、こないだ納品しましたお米40キロと今持ってきました50キロとを交換するように言われてきたのですが・・・」と言うと、
「おうミヨシさんよ、うちの炊飯機のタンク見てくか?玄米が混じっちまって、これじゃ今日は営業出来ないわ。」と言いました。
その厨房にある炊飯機というのは、ふつうの炊飯ジャーとは全然カタチも違う、とにかく巨大な洗濯機のようなカタチの機械でした。ぼくは、交換するお米というのは、このなぜか玄米が混じってしまった米を引き上げてくることなんだな、と悟りました。
「も、申し訳ございません。もしお邪魔でなかったら、そのタンクにあるお米を回収させてください。」ぼくはそう言いました。
「おう、タンク全部きれいにしていけよ。」
肉を切る大男はぼくにそう言って、ゴミ袋とバケツを貸してくれました。ぼくはタンクの中に入り、お米をゴミ袋に移しました。確かに玄米が混入しています。
汗だくで作業している間、厨房の大男は「ミヨシさんよ、なぜ玄米が混入したんだ?」とか聞いてきます。
ぼくはそのつど「申し訳ありません。原因は俺にもわかりません」と泣きそうな声で答えます。
「今日持ってきたこのコメは大丈夫なんだろうな?ちゃんと精米した白米なんだろうな?おいお前、袋開けて調べろ」大男は厨房内にいる一番若いやつに指示します。
若いやつが袋を開けている間ぼくは「これでまた玄米が出てきたら、ぶん殴られるか、あの肉を切っている包丁で小指を詰められるかもしれん・・・」と思いました。
新しく持ってきた米50キロは、ちゃんと白米でした。よかった。
なんとかタンク内をきれいにして、ぼくは何度も何度も「申し訳ありませんでした」と頭を下げて、ゴミ袋に入った玄米混入コメを抱えて厨房を出ました。
さっきまであんなに天気が良く代官山でウキウキさせてくれた空が、今では厚い雲に覆われて、川崎駅前の繁華街はどんよりと重たい雰囲気です。ぼくは心底疲れきってしまいましたがなんとか工場に戻りました。
(びんかん)
2007.05.25 | Comments(1) | 未分類






