徘徊シリーズ(2/5):都営辰巳団地
それから、ぼくは地下鉄史上最深部にある近未来チューブのうねりを体感して来たんだ。「両国(E-12)」からの東京メトロはルビー色のラインを体に浮き出しながら海に向かい、東京湾という壁を避け、舐めるように青山に戻る。
ちょうどそれが、東京湾にぶちあたる手前、「月島(Y-21)」で「有楽町線」に乗り換えたあと「辰巳(Y-23)」で地上に飛び出した。そこでぼくは、彼らに会ったんだ。

この駅は降りると新高層ビルが立ち並んでいる。車を運転する人なら「辰巳ジャンクション」というところでよく目にするのではないだろうか。
案内図によると、ここには五つの大きなセクションがあるんだ。
そこに表記されていないのは不思議でしょうがないが、とにかく駅を降りて歩きだすとすぐに会えた。もう詳しい説明はいらないはずだ。
まづは一本目(次男)さん。

この次男さんと、旧スタイルの団地、そして近未来のマンションは突然現れた訳ではないが、微妙なハーモニーで東京湾からお客様を迎える。
そして、人間模様の狭間から見え隠れする二本目(三男)さん。

彼らより働き続けている古株の三本目(長男)さんは、駅から歩くこと5分ほど。この街を長い間守っていたんだろう、足下に疲労感が表れている。

駅から離れると人は少し開放的になるのだろうか、それとも街をTo do リストにしているのか、メモ書きがペイントされていた。
この都営辰巳第一アパート街区は三方を海で守られている。そして、残る一方は首都高というぶっとい日本の動脈で遮られているんだ。まさに陸の孤島だ。この三兄弟がいなければ、辰巳街区の住民の食の安全は守られない。
だが、もう一度この地図を見直して欲しい。(クリックすると大きくなるよ)
「安全マップ」となっていて、痴漢・不審者水の事故・暗地帯・交通事故に警戒がされていることがわかる。運動場や、団地の大まかな図はあるのに、なぜか「給水塔」の位置が描かれていないんだ。
いったい自分は今どこにいるのか、給水塔が図に記載されていないのに、どうして知ることができるのだろうか。
彼らには、この巨大な給水塔は全く見えていないんだ。
せつなさを胸に、さらに徘徊は続く。
徘徊シリーズ(3/5)に続きます。
(てくにこ)
2007.09.09 | Comments(0) | 未分類






