9月12日のお昼に安倍首相が辞任するという緊急ニュースを聞いて、ぼくはなぜか急に元気を無くしてしまった。これから彼が唱えた「美しい国 日本」はどうなって行くんだろう、と思ったら無性にカメラを天に向けたくなった。

撮ったものを見てみた。
もしかしたら、これが総理の探していた「美しい国」の原型になるものかもしれない。
この日、一日ぐずついた天気だったがようやく雨も上がり晴れ間が見えて来た。それでももう一日は終わろうとしていたので、びんかんと二人で「矢上川」を歩くことになった。びんかんはここで日々マラソンのトレーニングを積んでいるところだ。
そこでふと目に入ったのは、四角い箱だ。

これだよ、有権者諸君。
この整然とした、無駄のない作り。これこそ、安倍先生のかかげていた「美しい国」の原型だと思わないかい。この配列には非常にそそられるものがある。必要最小限の窓の数に大きさ。滅多に使わないだろが、非常のために備えられたハシゴ。これがやがては命を守る「ヒーロー」になる訳だ。

空から日本をのぞいたら、こうなっていたい、こうであって欲しいと、彼は感じていたに違いない。それでも様々な形態のビジネス、しがらみに負けてしまいなにもかもから逃げ出したくなったんだな、きっと。わかるよ、わかる。
「そんな大きいドアは要らないよ!」
「シャッターは手動じゃないとだめだよ!」
「換気扇はシンプルな、静音式でいいよ」
「いやいや、あの取引会社には大変お世話になっているので、先生、ここはひとつなんとか・・」
理想があるのに、無駄なことや派手なことがすきな連中がいると、したいこともできないどころか、なんだかいやーな気分になってくるもんだ。
このボクですら、机の上だけが汚くなっていたら、ごちゃごちゃしていたら、やっぱり発狂してしまうかもしれないよ。臓器に何らかの支障を来すかもしれないよ。責めても机の上だけでも、引き出しの中だけでも、この倉庫のように無駄のない、「美しい」空間をつくっていくよ。それがいずれ国家の建設にもつながれば、いいんだね。
この倉庫の中はどうなっているだろうか、などと考え始めたら、いつも感じる「この給水塔の中は・・・」とおんなじ感覚になってきた。こっちの倉庫の場合、床にはきちんとテープで区切られたエリアがあり、あるべきものがあるべき位置にしっかりと整えられているのだろう。もちろん、この会社の始業時刻、終業時刻は定時までだ。残業する必要がないくらい、整えられた環境でスムーズに仕事をこなしているに違いない。社員の作業着はズボンインだ。襟足は刈り上げられ、もみあげはテクノカットだ。フォークリフトは電動で、タイヤが床を踏みしめる音しかきこえない。10時と3時は夏でも暑いお茶だ。
給水塔にはRがかってる分、倉庫はソリッドな出で立ちで新鮮さを感じた。それでも、なんだかこの二つは織りなすことに違和感がない。この融合はなんだろう。
うん、どちらにも、無駄なものが何もない、ということなんだ。
ワタクチは無駄な贅肉だらけの人間ではございますので、やはり無駄のないこと、シンプルなことについては、これ単なる憧れ、いや、嫉妬なのかもしれませんです。
(てくにこ)

秘密倉庫ですか、情報ありがとう。
ド派手とシンプルは対極でも共存しているんですねー。