トリップ感
ちょうどぼくが夕方の散歩に出かけたときだ。
N條から電話がかかってくる。「飯食おうぜ」。
ぼくはよく散歩をする。
家の近くに流れる川の土手沿いを歩くのだが、今日は特別だった。
なぜなら、なんか熱っぽいのだ。ようするに風邪の症状だ。
アタマの中がホカホカして、世界がぐにゃぐにゃに見える。
そして、理由はよく分からないのだが、なぜか目が充血していて、光に対して鋭敏な反応を起こしている。
つまり、ぴかぴかした事象が脳にびんびん直結してくるのだ。
敏感脳になってしまっている。ナチュラルなハイ状態だ。
風邪なので、すぐにでも横になって寝ていたいほどぼくは具合悪いのだが、普段は味わえないこの「多幸感」に酔いしれるため、街がだんだん薄暗くなって、そして家々の明かりが灯る時間に、散歩に出かけたというわけだ。
おかしいだろうか。俺は狂ってるだろうか。
そして、N條と日吉駅前で飯を食う。
なにを話したか忘れてしまうほど、世界がよじれてぐにゃぐにゃしていたが、なんか「最近おれの中で千葉がキテる、京成電鉄がキテる」という話を熱く語ったようだ。
さらに、俺のボディがもっとロボロボしていればよいのに、という話もしたそうだ。
これは、最近読んだ「浦沢直樹:プルートゥ」という漫画がすばらしく面白い!という話の延長だったと思う。
とにかくN條は、充血した目でキマってる俺の支離滅裂っぷりに困り果てていたが、気分のいい俺が飯をおごってやったので、怒らずに静かに聞いていた。
ひととおり最近考えてるくだらないことを話し終えると、もう用が済んだ気になったので、家に帰りたくなった。すっくと立ち上がり、俺は店を出、困惑して変な汗が出ているN條をそこに置いて、またもや、街灯や家の明かりでぴかぴかした街にくらくらしながら、今家に帰ってきたところです。
(びんかん)
2006.05.14 | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類






