ブリ
ブリトニー・スピアーズのことについてだ。
世界中のだれもが知っているあのスーパースターのブリ。毎日のように彼女のニュースを見聞きする。ブリについて聞かない日はないくらい。最近のブリは精神病院に入院したとか退院したとか、そういうニュースばかりだけどね。
彼女のニュースを聞くと、いつも村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」の主人公ハシを思い出す。
「コインロッカー・ベイビーズ」は2回も読んだ。
ストーリーはここでは詳しく書かないからぜひ本を読んでほしいのだけど、主人公は、二人のコインロッカー遺棄児、兄キクと弟ハシだ。二人は成長し、キクは棒高跳びの選手となるがその暴力的な性格が災いし自分を捨てた母と思わしき女を殺してしまい東北地方の少年刑務所に収監された。弟のハシは音楽の才能があり、ホモの芸能事務所社長による巧妙なメディア戦略や巨大資金によってロックスターと祭り上げられていくが、もともと繊細だった精神が次第に病んでいき、薬物依存、最後は精神病院に収容された。
ブリもスターとしてどんどん上り詰める。栄華を極めた時代は毎日が乱痴気のパーティ三昧、すべてが過剰、すべてが派手。人間が経験できる快楽と欲望を一瞬で消費した。だが彼女は結婚と出産を契機に人生がどんどん転落していき、離婚、親権剥奪、薬物依存、自殺未遂…と転がり落ちていく。一人では身の回りのこともできなくなってしまったという現在の彼女はどんな状態なのだろう。ハシのように壊れたオモチャになって、ただ床に転がっているだけの塊になってしまったのだろうか。
彼女の人生が悲劇なのは、こうした転落ぶりが一種のショーとして世界中で見せ物にされていることだ。しかも彼女はまだ26歳だ。普通の人々が経験する人生の1000年分くらいの振幅を、たった26年で振り切ってしまった。
彼女も過去の多くの転落していったポップスターのように、人々の記憶から急激に忘れ去られてしまうだろう。あと1年もすればだれも思い出せない。
<ちょいメモ:最近聞いてるアルバム>
BLOC PARTY.
“A WEEKEND IN THE CITY” 2007
ぼくの勝手な話です。2007年はどういうわけかぼくの中で80年代リバイバルが起きていて、ようするにマイブームというわけなんだけど、あの時代のバシバシした、派手で過剰に加工したような鋭角なサウンドがすげーカッコイイということに気がつきました。デュランデュランとかA-haとかね。
クルマでいえば、カクカクした430型とかY30型の日産セドリックやグロリア、Y31型スカイラインの雰囲気です。あのちょっとワルい感じですね。
で、このバンド、ブロックパーティですが、彼らは2000年代中期から登場したイギリスのオルタナ系バンドで、彼らのメロディラインとかは90年代のレディオヘッド(OKコンピューターのころ。まだ電子音楽に接近してないころ)のような美しくて切ない湿り気のある感じなのですが、ドラムやベースのリズムセクションがどういうわけか80年代のカクカクした鋭くて尖った印象なのです。
80年代の音楽って、2000年代の耳で聞くとあの当時のテクノカットとか過剰な肩パットのスーツとか思い出して、ちゃらちゃらナンパで軽薄な印象がして、「うわダッセー」って拒絶反応してしまいがちなのですが、彼らブロックパーティは80年代のサウンドを軽薄にならずにシリアスに鳴らしてるというのがとても良いです。
「鋭く尖っている」というのがぼくの好みであり、活動のテーマでもあります。
(びんかん)
2008.02.08 | Comments(3) | 未分類






