未来ロボ
鉄仮面というか、顔面に生気がなく、無駄な動き、無駄な会話を一つしない空間が東京の特徴かもしれない。東京を嫌う田舎の人は、血の通わない人間らしさのないところに嫌気がさしているのだろう。でも、東京ではそういった空虚感こそが「人間らしさ」なのかもしれない。
仕事で今週一週間は東京ビッグサイトにへばりついている。
展示会出展でボクはまさかのマネージャーなのだ。いわゆる責任者だ。責任重大と思いきや、そうでもない。ただ外注を上手に使えばいい。クライアントとして上から指示をすればいい。希望を伝えてコストを抑えて、自分は高級ホテルに宿泊。それでも数百万もかかるプロジェクトに失敗は許されないのがビジネスだ。
ちょっとランチしたくなれば、ビッグサイト内のレストランに行けばいいのだが、ここは独特の雰囲気が漂っている。店員に愛想や愛嬌がかけている。20XX年の東京、大都会の未来、巨大な地震が起こった後のメトロポリタン。生き残った人々は己の権利を守るために必死に保身する。無駄な動き、無駄な会話はない。ただ、言われた通りに動くだけ。
「トンカツ定食ね」
これを合図にそれは動き出す。インプットされたプログラム通りに間接が動き出す。人の様な動きをしているが、無機質な配線、配管、スパイラルホース、小型コンプレッサー、継手、リミットスイッチ、マグネットスイッチ、スプリング、端子台が見え隠れする。
でも中には人情を捨てきれない人もいる。話好きのおっちゃんは、一度目が合うと、3分は止まらない。「クマハッツァン」と名付けた。営業時間の終了間際にとった食事に、何度も話しかけられた。独特の雰囲気にも理由がある。ここは都の持ち物だから、すべての管轄は都にコントロールされている。売り上げ、集客人数などすべてを管理されている。レジも都から支給され、しかもリースで17,500円/月 取られている。自分たちはテナントで借りてるから、売り上げアップが収入につながる訳ではなく、どんな努力も無駄になるわけだ。
愛嬌タップリで商売すると、恐らく疲れるだろう。愛想悪くても、ライバルがほとんどないこの狭い世界に競争は必要ないわけだし、イベント開催中はどんどん人が入ってくる訳だ。無駄なことはしないでよい。その独特の雰囲気に迫ったとき、ボクはまた新しい世界を見た。
それを肌で感じたとき、クマハッツァンは「ごめんな、あんちゃん」と発した。
ボクには、この雰囲気が悪いのかどうか分からないし、クマハッツァンの謝罪が的を得ているのかわからない。たとえ悪いと感じても誰が悪いのか、さっぱりわからない。
ただ、こういう世界があるのは事実のようだ。
ぼくはますます孤独のただ中に入って行く。
<高級ホテルで佇むてくにこ>
<作業報告書>
「コガネイちゃん(仮)」という曲を今からおよそ一年前に制作した。当時はまだJAZZに没頭しており、そんな雰囲気の楽曲として仕上げようとしていた。JAZZを基本としているので、サビがない。というか、Aメロがサビ、といった感じでなんだか中途半端だった。
びんてく発足後、「鋭い」「もてる」をコンセプトに走り出した訳だが、この曲を煮詰めればもしかしたらいい曲に仕上がるかもしれないと思い、思い切ってオフトンを飛び出してアレンジをしてみた。
意外にもRockなチューンになってしまった。というか、元々JAZZには向いていなかったんだろう。殴り書きで譜面をごちゃごちゃに汚したままびんかんとの定期練習に向かい、TMよりも前にこの「コガネイちゃん(仮)」をさらけ出さす。
まだ、課題は残っており何点か指摘されたが、この作業が非常に楽しく勢いがついている。
それだけではない。「峠の我が家(仮)」というびんかんのダンスチューンも、ニョキっとさらけだすので、夢中になって音楽にのめり込んでしまった。この曲を聴いたとき、てくにこは「くそっ。やられたっ!」と嫉妬したんだ。
練習後、いつも行く店で「ちくわの磯辺揚げ」「穴子の天ぷら」「生」を暴力的に胃袋に溜め込んでいきながらも片隅で曲のこと、詞のことを考える。オウチに帰ってさっそく課題だったBメロと、未着手であった詞制作活動をはじめる。勢いがつくと、作業はとてもはやい。夜中でも止まらない。ギターを弾く右手のストロークに力が増す深夜2時。
どうやらぼくは曲を作るのに、フレーズからやっていくといいようだ。(槇原敬之先生は詞から創作する「詞先」という方法をとるらしい。)今までコードを追っかけながらやっていたが、へんな知識があるぶん、テンションとか、デミニッシュとか、むつかしく考えてしまう。フレーズを考えてコードをつけると、まったく単純なコード進行で愕然としてしまったが、たぶん音楽なんてそんなもんさ。
それでついに「コガネイちゃん(仮)」は完成した。あとは「プロデーサーびんかん」にアレンジメント依頼を発注し「曲」として仕上がる訳さ。
<了><文責:キム・テクニコ>
という訳で、スターチャンネルのJ-POPカウントダウン番組を見て歌詞のお勉強をしているが、1位が「かっとつーん」だった。YOUたち!がんばってるね!
P.S.
なんだか右脇腹の後側に違和感がある。キャンプも張っていないのに。
大病かもしれない、と決めつけてしまうと、孤独感が一層増すようだ。
(てくにこ)
2008.02.11 | Comments(2) | 未分類






