板橋文夫、森山威男

7日、横浜JAZZプロムナードへ行ってきた。

12:00から関内大ホールで「森山威男/板橋文夫 双頭バンド」を聞く。
板橋のピアノ、森山のドラム、そしてベース、アルトサックス、テナーサックスという5人編成。
とにかくエネルギッシュなサウンド。別のいい方をすれば「カオティック」な印象。

板橋は手のひらや肘うちでピアノの鍵盤を叩き、そしてかき鳴らす。ピアノに体をぶつけているようにも見える。
とにかく、でかい花火をばんばん打ち上げているような奏法だ。
でも、めちゃくちゃやっているわけではなくて、少し音楽を勉強した人なら気がつくけど、拳で鍵盤をぶっ飛ばしてるような彼の奏法だが、それがきちんとしたコード展開とメロディを奏でていることがわかってくる。それも情熱的で美しい造形を。
ただ、あまりの情報量の多さや音圧の大きさに圧倒されてしまうからカオティックな印象になるのだろう。

また、森山のドラムが独特だ。
まず、音がでかい。キックやタムが割れるような響きがある。
そして更に、どういうチューニングをしてるか分からないけどシンバルの音がかなり独特だ。「ぐぁーん」「じょあーん」といった、銅鑼を鳴らしているような音だ。

それに、彼はとにかく音数がすさまじく多い。ひっきりなしに全ての太鼓が鳴っている。
彼のドラムパターンは90年代の終わりにテクノ・エレクトロの世界でかなり流行した「ジャングルビート」や「ドラムンベース」に似ていると思った。その高速連打的な奏法、フィルでキックを抜いたり、ザクザク切り刻んだようなパターン。でもそれがコンピュータで鳴らしてるわけでなく生音だからすごい。

ジャズドラマーはおおかたドラムキッドを小さくまとめて、控えめな感じで叩いてる感じの人が多いけど、森山はそれとは反対で、とにかくアクションが大きく、板橋のピアノ同様、太鼓を殴りつけているような叩き方である。

彼のドラムソロは、ヒリヒリした男の色気のようなものがあって、聞いてると「仁義」とか「任侠」と言った文字が頭に浮かんでくる。
うまく言い表すことができないが北野武の映画を音に変換したような、そんな感じ。その暴力性、まるでなんでもないような顔をしながら相手の顔面へ強烈なパンチを浴びせ続けている、そういう印象だ。
ブラッドメルドーとはまた違った「ナイフ感」だ。

一曲終わるたびに、板橋が息も絶え絶えに次の曲を紹介してるのがなんだかおかしかった。
熱い男たちが命を削って音を鳴らしてる、そういうステージだった。

(びんかん)

2006.10.09 | Comments(0) | 未分類

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